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「人類生存のために」──第2回国際ラドンα線臨床研究会講演会報告

2025年9月21日、大阪市にて「国際ラドンα線臨床研究会」第2回講演会が開催されました。本研究会は2025年春に法人登記を完了し、正式に発足した新しい学術組織です。昨年10月の第1回講演会に続く今回の開催は、活動の定着を示す意義深い節目となりました。

ラドン療法(ホルミシス療法)は、約20年前から一般社団法人「ホルミシス臨床研究会」において体系的に研究・臨床応用が行われてきました。近年では、関西圏でもラドン療法を取り入れる医師が増えたことを背景に、本研究会が設立されました。代表理事は兵庫医科大学・後藤章暢教授(研究基盤教育学)で、医師および研究者7名が理事を務めています。私は理事として事務局運営を担当しています。

設立当初から、理事会は毎月オンライン形式で開催され、春には大阪市でリアル理事会を実施。本年9月の講演会に向けた準備を進めてきました。今回もスローガンは「人類生存のために」。現代社会のストレスや環境負荷による心身の疲弊を癒すため、ラドンの医療的可能性を最大限に活かそうという決意が共有されました。

当日は約40名が参加。人数こそ前回と同程度ながら、質疑応答は時間を超過するほど活発で、より実践的な議論が展開されました。冒頭では、放射線生物学者である小島周二理事(東京理科大学名誉教授)が登壇し、ラドンの基礎理論・安全性・有効性についての科学的エビデンスを解説。続いて、私を含む4名の臨床医が、ラドン療法の症例報告や安全性確保の工夫、他療法との併用における臨床的課題などを発表しました。

また、研究会設立に大きく貢献された株式会社リードアンドカンパニーの村田社長も登壇し、「ラドン療法の普及は社会的使命である」と語り、研究会設立の理念を熱く共有しました。この一体感は、研究会の今後を方向づける大きな力となりました。

講演後には、「ホルミシス(ラドン)の有効性の作用機序は?」との質問が寄せられました。ラドンの働きは単純な説明では語り尽くせませんが、酸化ストレス応答や免疫制御系の調整など、多面的な生理作用が示唆されています。この点について、研究会では「一般の方にも理解できる解説」を発信していく必要性を再認識しました。

さらに、放射線の安全性に関する議論も大きなテーマとなりました。ラドンは放射性核種であることから、誤った印象を持たれやすい一方で、正しい管理下では有効性を最大限に引き出せることが臨床的にも示されています。本研究会では設立当初から、小島理事を中心に「安全性」と「有効性」の最適なバランスを議論しており、今後はラドン療法の頻度や被曝線量の上限設定を含む安全性ガイドラインの策定を進めていく方針です。

一方で、有効性の検証についても次の段階に踏み出します。症例の蓄積だけでなく、多施設共同の臨床研究を通じて、ラドン療法の効果を科学的に検証し、民間療法の域を超えた「エビデンスに基づく医療」として確立することを目指しています。

今回の講演会では、安全性への慎重な姿勢と、有効性への確信が両立する形で討議が進みました。多くの医師が「リスクを上回る効果がある」と感じており、その実感が参加者に強く共有された点は特筆すべき成果です。

今後は、安全性ワーキンググループによる定期会議を設け、得られた知見をもとに研究会としての統一見解を打ち立てていく予定です。そして、その成果は第3回講演会および研究会ホームページにて随時発信してまいります。

ラドン療法の学術的理解と臨床応用の両立を目指す本研究会の活動は、今後さらに広がりを見せることでしょう。引き続き、多くの皆様にご注目いただければ幸いです。

出典:蒲田よしのクリニック公式ブログ(当研究会理事・院長 吉野 真人 先生)
文責:国際ラドンα線臨床研究会