ラドン療法を科学的根拠に基づく医療へと発展させるために
放射性物質の種類と半減期
核種によって異なる性質を理解する
放射線は、さまざまな「放射性核種(元素)」から放出されます。 それぞれの核種は異なる性質を持ち、放出する放射線の種類や強さ、また時間の経過と共に減少していく速さ(半減期)にも違いがあります。
主な核種とその特徴
・ラドン(222Rn, Radon) 222Rnはウラン(238U)やラジウム(226Ra)が壊変する過程で生じ、無色・無臭の気体で、自然界に広く存在しています。気体であるため空気中に拡散しやすい特徴があります。生じたラドンからは、主にアルファ線が放出されます。
・ラジウム(224Ra/226Raなど,Radium) 地中に存在する放射性元素で、アルファ線やガンマ線を放出します。かつては医療などにも利用されていましたが、その性質から取り扱いには注意が必要です。
・ウラン(235U/238Uなど, Uranium) 自然界に存在する代表的な放射性元素で、長い時間をかけてラジウムやラドンへと変化していきます。主にアルファ線を放出します。
・トロン(Thoron) トリウム系列から生じるラドンの同位体(220Rn)でトロンともいわれ、ラドン(222Rn)と同様に気体ですが、半減期が非常に短いのが特徴です。
半減期とは?
「半減期」とは、放射性物質のBq数が時間の経過と共に減少し、元の半分になるまでの時間を指します。 以下に示します様に、核種によって半減期は大きく異なります。
●ウラン:数十億年という非常に長い半減期 ●ラジウム:約1,600年 ●ラドン:約3.8日 ●トロン:約55秒
このように、同じ放射性元素でも、長期間に渡るものと、極めて短時間のものがあることが分かります。
性質の違いを踏まえた理解が重要です
核種ごとの違いは、「どのような状態で存在するか(固体・気体)」や「どのくらいの時間で減るか(半減期)」、そして「いかなる線種の放射線を出すか」によって大きく変わります。 ラドンからのα線に関する研究では、こうした特性を十分に踏まえたうえで、安全性や利用方法について検討が行われています。 放射線を正しく理解するためには、核種ごとの違いを知ることが重要です。