ラドン療法を科学的根拠に基づく医療へと発展させるために
Q & A
Q & Aからラドンα線療法の安全性を理解する
Q1) ラドン吸入とラドン浴との違いは何ですか。
ラドンは空気より重い気体で、呼吸により体内に取り込まれます。222Rnルームは、温度 38 度、湿度60~70%と、気密性が保たれています。ルーム内に放出されたα線が経肺摂取されると同時にγ線も全身照射されます。一方、α-Radiorespiro-Rn では主としてα線が、呼吸により体内に吸収されます。
Q2) 222Rnの半減期は3.8日ということですが、体内に入ったラドンの半分が30分で消える理由と2時間で排出される理由は何でしょうか。
Rnは不活性ガスであることから、体内構成成分と相互作用せず、主として呼吸により体外に排出されます。
Q3) がん専門医から処置なしと言われたステージⅣの末期がんの患者さんが毎日入って治療されたと聞いたのですが、毎日入って人体への影響は無いのですか。
ラドンルームでのγ線の線量率及びα線の放射能量は、其々11μSv/hと200,000Bq/m3 で1日1回(1h)で1週間治療した場合、両放射線からの体内被ばく線量を計算しますと、① γ線による外部被ばく線量は77μSv(11μSv×1h×7日)、及び②α線経肺経由での体内摂取による被ばく線量は3.8mSv(6.7×10-6×84,000Bq×1h×7日)であり、① + ②=3.95 mSv (最大線量値)となります。通常、人体は250mSv迄は重篤な影響は現れませんので、250mSv÷4mSv=62.5 週 = 15.6 月となり、約1年4ヵ月間ルーム処理を受けても健康上の問題は無いと思われます。
Q4) α線を皮膚に当てたら、ニキビの菌は死にますか。
皮膚に接着した場合には表面近くの菌は死ぬ可能性はありますが、内部に存在するものは難しいと思います。寧ろ、透過性の高いγ線の方が有効だと思います。
Q5) ラドン水をペットボトルでもらいましたが、ラドンの効果は何時間/何日持ちますか?また、ラドンは水の中でどのようなかたちで存在しますか(溶け込んでいるのでしょうか)?空気に触れると、すぐに抜けてしまうのでしょうか?
低温で密封されていれば、半減期(3.8日)に従って、減衰しますので、2週間程が有効期限と考えられます。殆どのラドンは水に元素として存在し、僅かな元素水分子と弱い結合子、溶解するとされています。
Q6) がんや難病の患者さんと、健康の方でMAX値に違いはありますか?
罹患者は、通常健康人と比較して代謝が低下していますので、医薬品に場合には 摂取する薬剤量を少なく処方されます。従って、222Rn量のMAX値も異なると思われます。
Q7) 3.11事故のときに、セシウム、ストロンチウムなどの放射性元素は放出されると聞きましたが、ラドン室、ラドン吸入からは出ませんか。
セシウム、ストロンチウムは原子炉により人工的に発生させます。ラドンα線療法では天然鉱石使っていますのでこれらの核種は発生されません。
Q8) 甲状腺がんの原因はβ線、γ線の被ばくと聞いていますが、ラドンα線療法ではこれらの放射性元素はどのくらい出ているのですか?
甲状腺がんの原因は原発事故に伴い発生するヨード-131(131I) に起因し、被ばく線量としては、乳幼児で40mSv以上です。222Rnルームでは131Iは発生しません。なお、γ線は放出されますがその被ばく線量は11μSv/h です。